朝鮮人参は中国東北部の長白山地域の山岳地帯、朝鮮半島やシベリア東南部に自生するウコギ科の多年草です。
長白山の野生人参は古くから有名ですが、今ではほとんど採りつくされてしまっています。成熟した野生の人参は希少価値が高く、見つかったとしても数百万円というプレミア値がつきます。当然、偽物も多く出回りとても信用できません。
現在、市販されている人参のほとんどは人口栽培の人参です。人参の主要産地は遼寧省、吉林省、黒龍江省の東北三省で、中でも吉林省長白山産の朝鮮人参は最高品質を誇っています。この辺りは肥沃な黒土地帯で、また気象が寒冷で多湿であり、朝鮮人参には最適の環境です。長白山は中国だけでなく、世界の主要人参生産地域です。人参生産量は全世界の生産量の70%を占めています。中国ではこの地方の人参を総称として「長白山人参」と呼びます。
朝鮮人参は栽培年数によって1年根、2年根・・・6年根に分けられ、栄養価もそれぞれ違ってきます。人参の根は4年から6年にかけて大きく成長し、サポニンなどの有効成分が増えます。成分的にみて、3年根のものは6年根の半分くらいしかないと言われています。また栽培人参は6年根が限界で、それ以上栽培させても害虫などに食べられたり、病害が発生したりします。また表皮組織が老化現象を起こし始めるとも言います。産地では一番充実した6年で収穫します。収穫期は年に一度、秋です。
朝鮮人参にはジンセノサイドをはじめとするサポニン配糖体を主成分に、糖質(主に蔗糖)、ビタミンB1 や ビタミンB2、亜鉛、マグネシウム、カリウム などのミネラル、必須アミノ酸や脂肪酸などの有効成分が多く含れています。
朝鮮人参は収穫後の加工法の違いで「白参(生晒参)」と「紅参」に分類されます。自然状態のものを「鮮参」、長期保存できるように、掘ったばかりの人参を皮を剥いて天日で乾燥したものを「白参(生晒参)」、蒸して乾燥させた(茶褐色)ものを「紅参」といいます。紅参は最初に蒸すことにより有効成分が損なわれることがなく、白参に比較してサポニンの含有量が多いのが特徴です。また、煎じた時、有効成分が溶け出しやすいという長所があります。
朝鮮人参には「禁忌」があります。「禁忌」とは、してはいけないことです。風邪などで熱があるときは食べないでください。血液の流れを活発化して循環系の働きを良くするため、動悸が出たりするからです。また体におおきなおできや腫れものがあるときも避けてください。
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