生薬: 肉従蓉(ニクジュヨウ) 極品102cm ニクジュヨウは列当科 (ハマウツボ科)の多年寄生の草本植物で梭梭林に寄生しているニクジュヨウは内モンゴル阿拉善左旗巴丹吉林(バタジリン)沙漠にあります。このニクジュヨウが旱魃の時にソウソウに水分を与えるラクダのこぶの働きをしていると遊牧民はいいます。 ニクジュヨウは貴重で、沙漠人参とも言われていて、中国漢方薬辞典《本経》、《本草求真》の中の《本草綱目》記述によれば、ニクジュヨウは養血や腎臓に効果があります。男女共に精力剤として用いられ、または便秘治療や、美肌や長寿にも効きます。(大正製薬のゼナなどの飲料にも入っています) 免疫力の調節、抗癌、抗老衰、高血圧の治療に効果があり、体内の酸化を防ぐ等の効果も持つことが証明されています。ボケに効くという論文も出されています。西洋人は食品として食べていて、鱗片を削り、酒で黒汁を消してから、薄切りにして、羊肉と山芋をあわせて煮込む料理は薬品より効くといわれています。一度お試しあれ。
ニクショウヨウの効果と効能 漢方では、強壮?強精における重要な生薬として知られ、性的不能や不妊症、足腰の萎弱、物忘れなどの場合に用いられます。古書には「髄を益し、五臓を養い、陰を強くし、陽を壮にし、精気を益し、子多からしめる。長年服すれば身を軽くする」と記されています。 神経衰弱で、元気がない、倦怠感を感じるなど、なんとなく力がでない方に、良く合う生薬です。滋養する効用がゆるやか(従容)なので、この名があります。身体を温めて、穏やかに滋養を補うので、ご高齢や体力のない方でも安心して服用できます。 ニクショウヨウは、乾きを潤して、腸をなめらかにする効果もあります。寝たきりや術後で衰弱すると、便秘になりやすくなりますが、そんな時にはニクショウヨウが良く合うと言われています。 ニクショウヨウを薬酒として服用すると、毎日少量ずつ服用することによって、穏やかに身体を補う作用がより良い形で現れます。
ニクショウヨウこぼれ話 中央アジアから、モンゴルや中国の砂漠地帯に分布するハマウツボ科の植物です。寄生植物ということもあって環境にデリケートなため、栽培が難しいとされていましたが、養命酒の中央研究所では長年の研究の結果、花が咲くまで育てられるようになりました。 ホンオニクという別名から動物性だと誤解されがちですが、正真正銘の植物です。寄生植物で葉が退化して鱗状になり、肉に似た感じがするため「にく」、そして、霊験ある薬草のため尊ばれ「御(おん)」をつけて、「御肉(オニク)」という名がついたそうです。 中国では、産後衰弱して体力回復の遅いときに、ニクショウヨウを食べて滋養をつける方法が知られています。ニクショウヨウに枸杞子(クコシ)や黄耆(オウギ)などの生薬を加えて、鶏肉と一緒に煮て食べるようです。
【基 原】 ハマウツボ科 Orobanchaceae 従蓉 Cistanche salsa (C.A. Mey.)G. Beck. (ホンオニク)の肉質茎を乾燥したもの。塩で加工したものを鹹従蓉、さらして塩を除き蒸したものを淡従蓉という。
【性 味】 味は甘?鹹、性は温。(帰経:腎?大腸経)
【主成分】 微量のアルカロイドと結晶性の中性物質を含む。配糖体や有機酸様の物質を含むとの報告もある。
【薬理作用】 滋腎益精?補陽潤腸 強壮?通便の作用がある。
【臨床応用】 腎虚の患者に使用し、補陽にも滋陰にも一定の作用がある。神経衰弱で、元気がない?倦怠感?腰がだるい?健忘?聴力減退など腎虚の症状があるときに最も適している。 腎陽虚によって生じたインポテンツ?早漏?婦人の不妊?不正性器出血?白色帯下などにも使用する。 老人の気虚?血虚による便秘には、一般に肉従蓉と豚肉を煮たスープを服用させる。
【用 量】 毎日6〜18g。便秘には12〜18g。
【使用上の注意】 1,一般に補陽薬は燥性で、滋陰薬は膩(味がしつこい)であることが多いが、肉従蓉は補して燥でなく?滋しして膩でなく、薬力がおだやかなので、従蓉(悠然とおちつきはらった様子の“従蓉”と同じ音)と呼ばれる。表証をともなった腎虚の患者にも使用してもよい。 2,一般に淡従蓉を使用するが、頻尿や滑精には固渋作用のある鹹従蓉を用いる。 3,下痢や実熱の便秘には用いるべきでない。 |