【効能】 滋陰潜陽、軟堅散結 1.熱病傷陰による虚風内動証に用いる。 たとえば牡蠣、生地黄、阿膠などを配合した二甲複脈湯は、熱病の後期に陰虚風動による脈が沈数、舌が乾燥、歯が黒い、指が蠕動、はなはだしきは痙攣などを治療する。 2.陰虚による発熱に用いる。 滋陰の作用は亀板に及ばないが、清熱の作用は亀板より強い。 たとえば青蒿鼈甲湯は、青蒿、乾地黄、牡丹皮、知母などを配合して、熱病損傷による発熱が夜にひどくなる、るい痩、脈数、舌質紅、舌苔少などの場合に使用する。 清骨散は、銀柴胡、地骨皮、青蒿、知母などを配合して、骨蒸潮熱に用いる。 3.慢性瘧病(マラリア)、慢性瘧病の脾腫、閉経、腫塊などに用いる。 鼈甲は軟堅散結の効力がある。 たとえば鼈甲煎丸は柴胡、[庶虫]虫、牡丹皮などを配合して、慢性瘧病、肝脾の腫大、疼痛なとを治療する。 閉経、腫塊には、大黄、琥珀を配合した鼈甲丸を使用する。
【基原】 スッポン科 Trionychidae ノシナスッポン Amyda sinensis WIEGMANN の背甲または腹甲
【性味】 鹹/寒
【帰経】 肝
【用法・用量】 煎剤、丸剤、散剤。1日3〜6g。
【註意事項】 脾胃虚寒による食欲不振、泥状便と妊婦には使用してはならない。 |