【成 分】 西洋参の主成分はR0、Rb1、Rb2、Rc、Rd1、Re、Rg1、Rg2、Rg3、Rh1、Rh2など多種の人参サポニン(含量は5-10%)で、薬用人参の約2.7倍も含みます。サポニンの他、糖類、アミノ酸、微量元素、揮発油、樹脂及び亜オレン酸甲脂など約11種類の脂肪酸も含みます。
【効 能】 [性・味・帰経]性涼、味甘・微苦;帰心・肺・腎経
[薬理作用]最初に西洋参について記載した中国の医書[本草従新]には“肺を補い、のぼせを沈み、体液を生じさせる、ストレスを解消させる”と書かれています。西洋参は、アメリカ人参、花旗参、広東参、洋参とも呼ばれ、薬用人参、竹節人参、田七人参と並び、世界四大人参の一つです。唯一の涼性で、薬用人参でよく見られるのぼせ、血圧上昇、出血などの副作用がなく、気と陰の両方を補い、疲れ、ストレスの多い現代社会にふさわしいものです。“気分を補うが、また血分も補益する” 、“薬用人参の効果を求めるが、体質的に受け入れられない人には西洋参を”と1918年に出版された清末の名医・張錫純の[医学衷中参西録]が論じています。
西洋参の薬理作用は現代研究で報告されています。今分かっているのは主に下記のいくつかの作用を有します。 1.循環器系への作用:抗狭心症、急性循環不全(ショック状態)改善、不整脈改善、血中脂質降下・抗動脈硬化、血圧降下、造血促進、血液浄化 2.体質改善作用:抗酸欠、疲れ解消、耐高温・寒さ、耐飢え・渇き 3.中枢神経調節作用(鎮静、記憶促進、ストレス、自律神経失調改善など) 4.神経系などの組織老衰を抑制する作用 5.内分泌調節促進、免疫強化作用 6.抗腫瘍増殖と抗ウィルス作用 7.癌の化学・放射線治療による副作用の軽減作用 8.肝臓保護作用 9.血糖降下作用
[臨床応用]中医学では、無気力、疲れ易い、乾き・体の乾燥、辛いものの摂りすぎ、お酒・タバコの過多摂取、怒りっぽい、のぼせがちなどの症状・傾向のある方に処方しています。 1.陰虚火旺、咳喘痰血に用いる。西洋参には補気養陰、清肺熱の効能があり、麦門冬、阿膠、知母、貝母などの養陰清熱化痰の薬物を配合し、陰虚による咳喘痰の症状に効果がある。 2.熱病による気陰両虚、煩躁、口渇に用いる。新鮮な生地黄、新鮮な石斛、麦門冬などの養陰清熱生津薬を配伍する。 3.津液不足による口乾舌燥に用いる。西洋参だけを煎じて服用しても、生津止渇の効果がある。 4.龍眼肉と一緒に蒸して服用すれば、腸熱便血の治療にも効果がある。
読売新聞日曜版の記事から: 体力低下したお年寄りや、病後・術後の回復期には、穏やかに気を補い、身体を潤す作用がある。西洋人参のほうが適している。さらに、口渇や体力の消耗が顕著な糖尿病の人や、心・肺機能の弱い人、体が衰弱している、免疫機能が低下した人に用いて効果をあげている。体力が消耗している時には、いきなり強い補気剤を用いても身体が受け付けないことがある。このような時には、西洋人参のように作用が穏やかなものを服用して、徐々に体力を取り戻していくほうがいい。四季を通じて、老若男女、誰にも服用できる理想的な健康食品といえる。
[薬膳]西洋参も薬膳でよく使われる食材で、スープの他、薬膳鍋、煮物や炒め物にも使います。焼酎に浸けて薬酒にするし、お茶(西洋参茶)としてもよく使われますね。
食用方法 (1)煎じる:人参を薄く切って3g程度を鍋に入れ、適量の水を加え蓋をして沸騰してから弱火で10分ぐらい煎じます。 煎じ汁といっしょにお飲みください。 (2)蒸す:粉にした西洋参5gを玉子1個に混ぜて、蒸してから食べてください。 (3)そのまま食べる:薄く切った人参を飴のように舐めてから食べてください。 (4)お茶のように飲む :人参を薄く切り茶碗に入れ沸騰したお湯をそそぎ、蓋をする。5分程度置いてから飲みます。数回繰り返して使えます。 (5)食べる:西洋参を柔らかく蒸しから薄く切って容器に入れ保存して置く。毎日食前に2〜4枚を ゆっくり噛んで召し上がってください。 (6)お湯に溶かして飲む:粉にした西洋参5g程度に蜂蜜を入れお湯で溶かして蓋をして5分ぐらい待ってから飲みます。空腹の時に飲むのが一番良い。 ※1日の摂取限度: 10gを目安にしてください。
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