東阿阿膠(血膠)百年堂 精装
東阿阿膠(血膠)は人体に必要な18種のアミノ酸と20種類以上の有益なミネラルを含んでいます。
阿膠の成分:ロバ皮、氷砂糖、豆油、黄酒
阿膠の効能と治療:補血、止血。貧血、めまい、動悸などに用いられる。
【阿膠の服用方法】板状の阿膠。
1,阿膠(アキョ)を粉末状態に砕いてください。 2,阿膠(アキョ)の粉を1さじ(3グラムくらい)をお湯または熱い牛乳に溶かしてお飲みください。
--------------------------------------------------------------------------------------------- 【阿膠の実際食用例】 1、阿膠漿(ジャン):鉄欠乏性貧血、栄養不足性貧血、失血過多、長患いによる気血両虚、生理不順などに。板状の阿膠を打ち砕きで、毎回6-10gで、お湯に漬かって、少量のお砂糖或いは蜂蜜(調味するため)を加え、かき混ぜて、阿膠は溶けたら飲めます。毎日1回飲めば宜しいです。 2、阿膠黄酒:気、血両虚に。阿膠250g+黄酒30mlを鍋の中に入れて、2-3時間に蒸して、阿膠は全部溶けたら宜しいです。毎日1-2回;毎回2スプーンを飲みます。 3、当帰シロップ:冷え性や、生理不順がある場合に。女性でしたら、生理が始まる前から、終わるごろまでは飲んでおきたいものです。当帰20gを煎じて、黒砂糖と氷砂糖(各100gづつ)と阿膠15gを加え、阿膠が溶けるまで煮詰めます。このシロップは、白玉やみつ豆、葛きりにかけたり、コーヒーの砂糖代わりにいれても、味にコクが出ます。 4、貴妃美容阿膠羹:補血益腎、益智烏髮、養顏益寿、潤腸通便などの作用があります。阿膠250gを打ち砕きで、黄酒250mlを加え、1-2日間漬け込み、氷糖250gと水200mlを加え、1-2時間蒸して、黒ゴマ(炒めた物)とクルミ(各150gづつ)を加え、かき混ぜて、また、0.5-1時間蒸します。冷たくして羹状になったら出来上がります。冷蔵庫の中に入れて保存しておきます。毎日朝晩に各1スプーンを飲みます。また、飲む時にお湯の中に入れて飲んでも宜しいです。味はとても良いです。 5、冬の鍋料理する時に、適量の阿膠を加えても宜しいです。スープの味は美味しくなり、体を丈夫します。
山東東阿百年堂 128g
○阿膠Asini Corii Collas
平成14年2月17日
別名:阿膠珠・陳阿膠・驢皮膠(傅致膠・盆膠・烏膠・顕明`・覆盆膠)
中国別名:驢皮膠・黒驢皮膠・東阿・伝致膠・覆盆膠
「神農本草経」:
●阿膠.一名傅致膠(フチコウ).味甘平.出東阿.治心腹内崩.勞極洒洒如瘧状.腰腹痛.四肢酸疼.女子下血.安胎.久服輕身益氣.
阿膠は,ウマ科の,ロバ 驢Equus asnus L.の皮からとった膠である。
阿膠の味は甘で,気は平である。
主として,心腹すなわち胸や腹の部位の病や,内崩すなわち内臓の出血や,過労がきわまって生じた労極の病や,酒酒とさむけがして,ちょうどマラリアようの瘧病の症状の如な病や,腰や腹の痛みや,四肢つまり手足が酸れ疼む病や,とくに女子の病では,陰部から血が下るのをなおすことができる。
また,みごもった胎児の発育を安らかにする作用もある。
これを,久しく服用していると,だんだんと身のうごきが軽くなり,元気を益してくる。
阿膠は,一名を,傅致膠ともいう。
【解説】 阿膠は,昔、山東省阿県にあった阿井という井戸の水で膠を煮て産したところから,阿膠という名がついたものである。この阿水は,済水が注ぐところで,この井戸の水でつくった膠で濁った水をかきまぜると清く澄む。だから,人がこれを服すると,膈に下って痰をうすくし,吐をとめる。これは何故かというと,済水が清くて重くその性が下にはしるものだから,汚濁や逆上した痰を治することができるのだ,とある。
和名は,漢名に由来する。
学名の,Equusはラテン語のウマ,asinusはラテン語のロバのことである。ロバは,ウサギウマともよばれ,リビア・スーダン・エリトレア・ソマリランドに野生がみられるが,各地で飼育されている。
日本の市場では,膠またはゼラチンといい,ロバの皮のほか,その他の動物の皮・骨・腱・靱帯などを水で煮て得られる可溶分から、脂肪を去り、濃縮固結させたもので,生薬は,新しくて光沢があり,夏にも著しく軟化するようなことがなく,異臭のないものがよいとされる。
成分は,蛋白質のglutinやchondrinなどである。
「第11改正日本薬局方2部」では,ゼラチンは、動物の骨・皮膚・靭帯,または,腱を,酸またはアルカリで処理して得られた粗コラーゲンを,水で加熱抽出して製したものであると規定され、この原料となる動物は,ウシ・ブタ・クジラなどがあげられている。
「薬局方」の適用は,漢方とはおよそ縁遠い使い方のみで,次のように解説されている。
ゼラチンは,医薬品の製剤材料として用途の広いもので,強固で弾力性のあるカプセルの製造材料として,最も多く用いられ,可塑性ゼラチン基礎剤として,皮膚薬に,また,錠剤,トローチ,坐剤の基礎剤として,あるいはまた,乳化剤として用いられる。注射剤に混合すると,主剤の吸収を遅延させるので、作用時間を延長させるため,特に、エピネフリンやへパリンの注射液に混合することができる。ゼラチンは,トリプトファンのような必須アミノ酸を含有していないので,完全な蛋白質ではないが,消化されやすく,糖質および脂質を含有していないので,ある種の栄養不良に食用として利用される。また,コロイド保護作用を有する。この注射液を静注すると,血液の凝固性を高めるので、内出血の治療に用いられる。血漿膨張剤にも用いられたが、抗原性を有するなどの欠点があり、現在はその目的では使われない。ゼラチンスポンジの主剤として、外科手術あるいは創傷時の止血に局所適用される。なお,「薬局方」には,精製ゼラチンも収載されている。
古方では、阿膠は,温経湯(2両)、黄土湯(3両),黄連阿膠湯(3雨),?帰膠文湯(2丙),灸甘草湯(2両),薯蕷丸(7分),大黄甘遂湯(2両),猪苓湯(1両),当帰建中湯加方(2両),白頭翁加甘草阿膠湯(2両),鼈甲煎丸(3分)に用いられる。
このうち、鼈甲煎丸では,炙と指示されている。
「中華人民共和国薬典」及び「中薬大辞典」では,原動物は,驢とする.
「広西薬用動物」では,驢をあげる。
(意釈神農本草経)
増補能毒*1「大意」
阿膠の味は甘・辛、性は温。帰経は手の太陰肺経、足の厥陰肝経、足の少陰腎経の三経に入る。虚労の極まった人、そぞろ寒く、瘧のような煩いの者、腰腹の痛む者。鼻血、吐血
淋病で血の出る者。痔出血、痢疾に用いる。
私云、これらの藥能は虚証でなくては用いない。特に、痢病が長く、これを止めなくてはならないと思うときに用うべし。
虚証のしわぶき、喘息、肺痿の膿血を吐く人、虚労でやせた人で足が腫れて痺れて長い間立てない人、女人の血の痛み、崩漏し、白血、長血を患う人に用いる、又、肺熱をさまし、乾きを潤し、陰血を補い、大腸を調える。
私云、この薬を使う時の目の付け所は虚労の人で、気血が下行するのを治し、淋病でも
吐血、鼻血の類でも血が漏れて止まり難いときに使うものと心得べし。此のように血の乱れや気の散るのを止める薬は大体味が酸味で無理に押し止める類のものである。
それ故にことによっては用い難い。此の薬は血の涸れたものをよく補い、熱気を冷まし、潤いを生じる。虚労を極まった人に特によい。本文に気の方は無いが気が散る人に用いる事は口傳を聞くべし。
「毒の大意」 阿膠は虚労の人でなければ用いてはならない。その訳は本藥が病を補い止めるからである。
「*3薬徴続編」
●原文:主治諸血証、故兼治心煩不得眠者。
●訳:主として出血、吐血、下血、月経不順、U血証など血液に関する一切の病症を治す。したがって、胸苦しくて気分が落ちつかず眠れないものにも用いる。
「増補重校本草備要」:(平、補いて潤す)甘平、肺を清し肝を養い、腎を慈し気を益し、血を和し、陰を補う。風を除き、痰を化し、燥を潤し、喘を定め、大小腸を利す。虚労?嗽、肺痿吐膿、吐血衄血、血淋血、痔、腸風下痢、腰痿骨痛、血痛血枯、経水不調、崩胎動、癰疸腫毒、および一切の風病を治す。瀉する者は用うることを忌む。黒驢皮を用いて阿井水*2にて煎じて成す。
「皇漢医学」:止血作用は既に二千百余年前より周知せられしものなれば敢えて洋方の教を俟たざる所なれども此の止血作用は血液の凝固性減弱と血管壁弛緩との爲血液の滲透亢進するに因る出血に限らるるものと知るべし猶本薬は一種の粘滑薬なれば其の緩和包摂作用により組織の緊縮を緩解し或は糜爛面を包摂すると共に其の滋潤性は能く組織の枯燥を医するが故に此等の原因によりて発する疼痛、出血、排膿、尿利の減少或は煩数、咳嗽等は亦本薬の主治なりと知るべし。
「漢方薬術」:鹹平無毒、肺・肝・腎三経に入るとあり、止血薬、滯下薬、膀胱等に用いらる。山薬と配合したら効力が一層強くなる。主として身体虚弱、肢体疼痛、吐血、崩淋、血尿、血痢、カタル、肺結核等に用い、燥けるを潤し、痰を化す。又大小便、大腸にもよい、大黄とは配合しない。
「中葯学概論」:「効用」慈陰養血、補肺潤燥、止血安胎。「主治」:虚労咳嗽、肺痿吐膿、陰虚血少、心煩失眠、吐血、喀血、妊女胎産、崩漏等症
「中葯大辞典」「効用」:慈陰、補血、安胎する。血虚、虚労咳嗽、止血、衄血。血便、婦女の月経不調、崩中、胎漏を治す。
「漢藥の臨床応用」:補血・止血・滋陰・潤燥(増血・止血・昇圧・ビタミンE酸化防止)
「中医学」:(効用主治)
1.補血止血。治血虚及吐血、喀血、便血、尿血、婦女崩漏。
2.滋陰潤燥。治熱病傷陰、陰虚火旺、見心煩、失眠、痙攣、抽?等 症。又治肺腎陰虚的咳嗽、遺性精
●血液凝固抑制作用:水製エキスは、濃度依存的に活性化部分トロンボプラスチン時間、プロトロンビン時間を延長させた。標準平板に添加すると、抗プラスミン活性も認められている。ADPによる血小板凝集を抑制する傾向もみられた1)。
●制腫瘍作用:ラット膀胱癌プロモーターによる(SS, Trp)発癌を強く抑制した2)。
1) 桜川信男・他:最新医学, 38, 1889(1983);Acta Med. Biol., 32, 107(1984)
2) 杉山 清:和漢医薬学会誌, 8, 200(1991)
ウマ科のロバの皮を、毛を取り除いてから煮て膠にしたもの。
にかわとは煮皮のことで、粗製のゼラチンのことである。
現在はロバ以外にも牛・馬・羊などの皮も用いる。
主産地は中国の山東・浙江省で古くから山東省の東阿に産するするものが優れているため
阿膠の名がある。ロバの皮を用いたものを驢皮膠(ロヒキョ?といい、ウシの皮を用いたものを黄明膠という。日本では主として牛の皮や骨からとる局方のゼラチンが用いられている。
阿膠の成分は硬質タンパク質のコラーゲンとゼラチンで、ゼラチンとはコラーゲンを熱処理により精製した変性タンパク質のことである。これらのタンパク質のアミノ酸の組成としてグリシン、プロリン、オキシプロリンなどが多い特徴である。
ただし阿膠の代用にゼラチンが適するかは議論の余地がある。
阿膠は加熱すれば溶けるが、低温ではゼリー状に凝固するため、煎剤に用いるときは滓をこした後に解かしながら服用する。またタンニン酸によって沈殿するので配合に注意する。 (漢方のくすりの事典)
阿膠 あけう
品考 支那産の阿膠は牛皮又は黒驢皮より製したる、にかわなりと謂はる。此に数種あれ共其の中にて櫛手と稱せらるる品は薄き長方形の板状をなし十数枚を重ねて一斤の包みとなし居たり。幅一寸許り長さ四寸位なり。厚味は一分程にして褐色を帯びたる飴色をなし、縦の一側に類白色の層あり所々に気泡の跡を見る。質は甚だ堅く破砕面には光沢あり。此の品を普通上品となせども、現在市場にては求め難し。又玉阿膠と稱する品あり入手し易し。大小不同の丸きアラレ状をなし甚だ軽し。何れの阿膠を膨らましたるものか知らざれども溶け易くして使用には便なり。又淡黄色光沢ある鱗片状をなしたる品あり。外観甚だ美なり此も何より製したる膠なるやを知らず。又工業用に使はるる板膠、三千本膠等の膠あり。質宜しからずと雖も急場には代用し得るものなり。
但し悪臭あるものは使用に耐へず、又ゼラチンを用ふる人あり、曰く此にて充分なりと。
ゼラチンは本来、魚の浮袋より製したる魚膠にして無色無味無臭なり、現今のゼラチンは皆動物性の膠質をよく晒して作りたる物ばかりなりとききたり然らば代用可なるべし、
製菓用、料理用に好んで用ゐらる。
撰用 標準品たる支那産の阿膠手に入らざる今日如何なる膠を用ふとも勝手次第なり。
ボクは則ち牛肉のすじを買い来り自製したる物を用ふ。所謂不快のにかわ臭なきの利あり。尤も當今精製せられたる品は工業用品と雖も不快のにかわ臭無き品多し。ゼラチンに至りては此點理想的に近し。但其の効陸上の物と等しきや否や、支那には以上の外鹿膠、虎骨膠あり價極めて貴し。用途は則ち阿膠と異り主として養生用に供せらる。
用法 板状品は鐵臼中に放て砕きて用ふ。
効用 本経に日く阿膠味甘平、心腹内崩労極灑灑として瘧状の如く腰腹痛四肢酸疼女子下血を主どり胎を安んず久しく服すれば身を軽くし気を益すと。ボク日く阿膠は味甘平肌肉の傷れを治し急を緩るむることを主どると。故に出血を止どめ煩を去る。
牛のすじより阿膠の製法
阿膠は本来牛皮又は黒驢馬の皮より製したる物を眞物と為せども日本にては其の様な物は中々入手出来ざるを以てボクは尤も入手し易く且つは廉価なる牛肉の筋俗にきり出しと言ふを原料として膠を作りたり。其の法先づ一遍水煮して浮び来る脂肪とあくの泡沫とを除き去り、更に水を換えて煮出し、時々水を加へて其の蒸発する分を補ひ煮続くる時、煮液濃厚となり全く白濁化するに至る。此の時煮液を傾け取り濡たる布袋を用ひて濾し、更に煮詰めて水分を盡さしめれば良好の膠を得るなり。若し試みんとせらるれば能く工夫せらるべし。恐らくボクの品に勝る物多量に得らるべし。
(新古方薬嚢) |