鹿茸は白い花のような斑点のついた鹿「梅花鹿(ばいかろく)」と馬のように大きな鹿「馬鹿(ばろく)」の雄の古い角が春に抜け落ちて、また新しく生え変わる幼角(袋角)を乾燥したものです。前者は花鹿茸(かろくじょう)と言い、後者を馬鹿茸(ばろくじょう)と言います。梅花鹿は中国の吉林、遼寧、浙江の森の中に生息し、馬鹿は中国の東北部、内蒙、甘粛、四川、雲南、ニュ−ジ−ランド、ソ連のシベリア東部の森や草原に生息しています。
梅花鹿の鹿茸の方が、品質が良いとされています。
雄の鹿は毎年春になると角が生え変わります。角は成長するのが早く、みるみるうちに立派になります。表面はうっすらと毛が生えています。初夏になり、角が骨化してしまう前に切りとります。この春先に生え始める頃の角のことを袋角(ふくろづの)と呼びます。外見は黒っぽく表面は皮と産毛に覆われていて、袋のように見えることからそう呼ばれています。鹿茸とは、この鹿の袋角から作る生薬のことをいいます。
袋角は柔らかくプニョプニョしています。中の成分は血液や骨髄液、さらに神経細胞などで凝縮されています。若い鹿のものほど成分が濃く、栄養や各種成分の含有量が充実しています。
角の先端部に最も薬効の高い成分があります。この先端部分を「上台鹿茸」と言い、最高級品となります。中間部と下部は「中台鹿茸」と「下台鹿茸」と言います。先端部分から下の部分に行けば行くほと骨髄の密度が低くなり栄養成分の含有量も少なくなります。
鹿茸片質分布
鹿茸には、コラ−ゲン、たんぱく質、カルシウム、リン、マグネシウムなどを含み、さらには、エストラジオール(女性卵胞ホルモン)、コレステロール、アデノシン三リン酸、コンドロイチン硫酸、レシチンおよび多種のアミノ酸、脂肪酸などを含んでいます。
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