西洋人参は、朝鮮人参と同じウコギ科の植物です。北アメリカ原産です。アメリカ北東部からカナダ南部の森林地帯に自生しています。別名を「アメリカ人参」また、アメリカ国旗(花旗)に因んで「花旗参」とも呼ばれています。
西洋人参が発見されるきっかけになったのは、朝鮮人参からでした。今から約300年程前にフランス人イエズス会神父ジャルトゥーは長白山人参の形態や薬効について調査して論文を発表しました。その論文を見たモントリオール在住のフランス人宣教師ラフィトウが、論文と同じ形態のウコギ科の野生植物を山林から採取しました。同じウコギ科でも種が違うと言うことで、両者を区別するために「西洋人参」と名付けられました。中国へは18世紀にアメリカやカナダで栽培されたものが、中国広東省の広州や香港を経由して東南アジア各地に輸出されました。広東人参とも呼ばれるのはその所以です。今では、中国で沢山栽培されています。
西洋人参は、朝鮮人参に比べるとまだ馴染みの薄い人参ですが、中国では政府の要人や役人、またスポーツ選手に人気を集めています。
朝鮮人参は温性が強いため、食べた後にのぼせやほてり感の出る人がいます。その点、西洋人参は性質が涼性なため、のぼせることがありません。体力の低下したお年寄りや病後、術後の回復期には穏やかに気を補い身体を潤してくれます。体力が消耗している時には、いきなり強い補気剤を用いても体が受け付けないことがあります。このような時には、西洋人参のように作用が穏やかなものを食べて少しずつ体力を取り戻していった方がよいのです。四季を通じて老若男女、誰にでも召し上がることのできる理想的な健康食品です。
西洋参の主な成分は多種の人参サポニンで、朝鮮人参の数倍も含まれていると言われます。サポニンの他、糖類、アミノ酸、微量元素、揮発油、樹脂及び亜オレン酸甲脂など約11種類の脂肪酸も含みます。
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